陽だまりのなかの僕ら


「あーあ、勉強なんてしたくないなぁ・・・」

藍実がぐだっと机にうなだれながら、私に言った。

「そう?私は勉強したくないって思ったことは無いけど・・・」


「えぇーそんなのおかしいって。」

「だって・・・」


だって、勉強ができなくなったら、きっと私の居場所がなくなってしまうから・・・。


「・・・だって?」

「あ、ううん、なんでもないよ。」


危ない、私の本音が漏れそうだった。

唯一の親友にさえ本音を言えない私は、意気地無しで、きっと弱い。


やがてHRが始まり、私たちは自分の席に戻って行った。


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