陽だまりのなかの僕ら
私はすっと立ち上がり、窓を開けた。
『カチ・・・』
鍵を開け、我先にと入り込む新鮮な空気を、すうっと気持ちよく吸い込む。
晴れやかな気持ちになって、輝かしい空に目を細めて。
髪の毛がさらさらと優しい風に揺れた。
小さい頃、おうちゃんとお揃いの髪の色になりたくて、よく駄々をこねた。
おうちゃんの髪の毛は栗色よりも優しくて、少し茶色っぽくて、でもふんわりした優しい色で。
対照的に私の髪の毛は、黒いストレート。
真っ黒な、そこの見えない、黒。
「こんな私、嫌いだ・・・」
ぎゅっと目を瞑って、力強く呟く。
それと同時に、強く下唇を噛んだ。
こんな私を好きになってくれる人がいるとするなら、もうそれは運命なのかも。
ううん、必然かもしれないね。
少し顔を俯かせて、そっとため息をついた。
窓の縁に手を置いて、夏風になびく長い髪の毛を、ただひとり、感じていた。