陽だまりのなかの僕ら

「遠慮なく上がって。今日は珍しく両親ともいないから。」

可愛いドアを開けながら、壮が振り返った。

「あ、う、うん。おじゃまします・・・」

中に入ると、床一面大理石で出来ていた。
白い、とても綺麗な大理石。

しばらくキョロキョロしていると、壮がふふっと笑った。

「・・・どう?女子から見て。これ、ぜんぶ母さんの趣味。父さんがすっげー愛妻家でさ。もちろん、俺のこともしっかり面倒見てくれるよ。」

にこにこと、とても嬉しそう。
よっぽど、家族のことが好きなんだな・・・。

・・・私は・・・

「・・・すごく、素敵だよ。この家も、壮の家族も・・・全部。」

ぎゅっと、スカートの裾を握りしめる。
それと同時に、右手の拳にも力をいれた。
私には、夢のような家庭。

羨ましい・・・。

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