陽だまりのなかの僕ら
少しして、すこしへんてこなところに出た。
草がぼうぼうに生えていて、どの雑草も私たちの背より高い。
「わあ、俺たちが通ってた頃より全然草の背が高くなってる。・・・まあ、草も成長するんだから、当たり前だよね。」
ふいに、おうちゃんが呟く。
私はおうちゃんを見据えて、少し目を細めた。
「ここの奥だよ。そうすればきっとあると思うんだ」
「・・・絶対にある?」
私の口から零れた、言葉。
それをひとつひとつ味わっていくかのように、おうちゃんはゆっくり頷く。
「あるよ。・・・でも、変わっていない保証はない」
「・・・そっか」
私たちは大きな雑草の茂みに入っていった。
ざくざくと、少し雨に濡れて、土の湿った音と、雑草を踏み付ける音。
おうちゃんが私の手を引っ張って、私はそれに引かれていく。
もどかしい。
こんなにも、もどかしい。