陽だまりのなかの僕ら
ふは、っとおうちゃんが笑った。
少しして、おうちゃんの手が私の頭に伸びる。わしゃわしゃと頭を撫でられた。
「ありがと。変なこと言ってごめんね。」
なんだか、とても切ない顔。
おうちゃんらしくもない。
「・・・ううん、幼馴染みだし、当たり前だよ。・・・大好きな、人だから。」
ひとりの、男の子としても、ね。
なんて言ったら、おうちゃんはいったいどんな顔をするかな。
そんなことを思いながら、おうちゃんに撫でられた頭を触る。
「・・・そっか。ありがとう。・・・そうだ、この奥。」
あっちにもっといいとこがあるんだ、っておうちゃん。
なんだか文句を言いたくなってくるくらい、今日は同じような言葉を聞いた気がするけど、もういいや。
私はため息混じりにひとりで笑った。
おうちゃんはそれに気づかなかったみたい。
空はどんどん暗くなっていくはずなのに、何故かおうちゃんだけは一層輝いているように見えて、私は少し俯いた。
背の高い雑草を掻き分けて、私たちはさらに奥へと進んで行った。