陽だまりのなかの僕ら
ドクン、と心臓が鳴った。
昔とは変わったおうちゃん。
でも、変わらないこともあるのかなって。
そう、思いたい気持ちっていうのもあって。
「・・・うん。」
すっと、伸ばされた手を握る。
優しくて、あたたかい。
昔と変わっていないようで、変わってしまっている、このぬくもり。
何度も、数え切れないくらい握ったこの手は。
いつから、こんなにもたくましくて、どこかか細いものになってしまったんだろう。
「ここ」
ふいにそう言われて、体がくいっとおうちゃんの方へ引き寄せられる。
「わっ」
足の下は、もうあと1mくらいで湖、というところで私は丘のふちに座った。
ぎゅ、と瞑っていた目を、そっと開けてみる。
「・・・どう?すごいでしょ。」
真っ暗な空に描かれるのは、形も大きさも、全てばらばらな星。
目がチカチカするくらい、眩しくて。
湖を見れば、その星たちが反対になって映っている。
自然の、プラネタリウムみたいな。
こんなの、今まで一度も見たことなかった。
そう、感動するのと同時に、胸が張り裂けそうになるのは。
なんでだろう。
今にも思い出を詰め込んできた大切な何かが、はじけそうで、破けそうで。
わたしは、ひとつの涙をこぼした。