SONG
第一章
小金井…誰さんだったっけ?
窓際の一番後ろ。誰にも邪魔されないお気に入りの俺の席。
その右隣に座って、いつも休み時間は決して外には行かず一人で本を読んでいるやつ。
担任の加藤が小金井さんって呼んでたから苗字ぐらいしかわからない。
というか担任以外のやつがこいつの名前を呼んでいる光景なんて俺が知る限りみたことがない。
友達いないのか?
本を読んでいるから自分からベラベラしゃべるタイプじゃなさそうだし、無愛想・無口。大人しそうで性格は暗そうだ。
長いストレートの黒髪を結ぶことなく前髪も後ろ髪もだらーんとさせて顔があまりみえない。
まるでホラー映画に出てきそうな雰囲気だ。
ま、気まぐれに思っただけでそこまで興味ないし昼寝の続きしよ。
俺は窓から入ってくる暖かい日差しを布団代わりに夢の世界へ再度出発進行。
< 1 / 2 >