ぼっちでも
彼のいない部屋
「ふぅー、まだか……」
壁に掛けてある時計を見て、いつもの様にため息吐いて。私は窓の外に目をやった。
もう外は真っ暗。
星が夜空の主役になってもう何時間たったんだろう?
私はのそのそと立ち上がりダイニングテーブルの上に置いてあるお皿に手を掛ける。
今日もまた誰にも手を付けられなかった料理達にラップを掛ける為動き出す。
そしてそれらは冷蔵庫の中へ片付けられて、
今日も彼の口には入らなかった。
あーあ、なんか寂しい。彼に食べて貰いたくって毎日毎日作っていると言うのに。
でも、仕方ない。
彼のお仕事は忙しいから仕方ない。
うん、そんなの分かってる。分かってるよ。
だけど、それが時々寂しいと思う。
彼の為を思って作った料理なのに、彼はそれを口にしない。
この料理達はまた明日、私の朝ご飯へと生まれ変わるだけだから。
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