ぼっちでも



小さく「おやすみなさい」と呟いて私は自分の寝室のドアを開けた。

「ああ」なんて返事が返ってきたようにも聞こえたが、それだってさだかではない。

あーあ、私、なんの為に生きてるんだろ?なんの為にここにいるんだろ?

ベッドの中に潜り込みそんな途方もない質問を問い掛けてみた。

「………」


あっ、そうか、私がここに居るのは親の会社の為だった。私は親の勝手な都合で今ここにいるんだった。

そう自分へ思い込ませる様に心の中で唱えると、案外簡単に沈んでいた気持ちがすーっと楽になった。だけどまた違う場所からチクチクと胸が痛みだす。

それはどんな意味合いなのかな?

だけどその答えを見つけてしまったら今度こそ本当に何もかもが狂いだして仕舞いそうな気がしたので、私はとにかく眠ろうと思い目を閉じる。

すべてをシャットダウンするように。

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