ぼっちでも
そうこうしている内に、また眠ってしまったらしく、気が付けば辺りは一段と闇を濃くしていた。
ベッドから身体を起こす。寝起きのぼんやりとした頭で少しだけ彼の事を思う。
もう家に帰っている頃かな?
「………」
今更そんな事思っても仕方ないのに。それでも考えてしまう自分に私は心の中で苦笑いした。
だけど彼は、気付いていないんだろうな。私があの家に居ないことを。私が夕食の支度をしなくったって、きっと彼は気にも留めない。うん、絶対そうだ。そうなんだろう。
そう確認すると少しだけ悲しくて少しだけ泣けてくる。
だけど仕方ない。私達は大恋愛の末結婚した訳じゃあない。政略結婚なんだから。
彼が自分のペースを崩さないのは、きっとだからなんだ。