ぼっちでも
カーテンの隙間から漏れる一筋の光り。
その光でパッチリと目が覚めた。
う、ヤバイ……。
私は慌ててダイニングに駆け込みいつもの様に辺りを見渡す。が今日もまたもぬけの殻。
テーブルには彼が残した残骸。朝飲んでいったであろう空のコーヒーカップと読み終わった新聞紙。
それを目の当たりにして今日もやってしまった。と思った。
元々朝は強い方ではないけど、こう毎日彼が出掛ける前に起きることが出来ない自分が本当に情けなくって不憫に思う。
いや、実際不憫なのは彼の方なのだが……。
彼も彼で変な気なんて使わず起こしてくれればいいものを、なぜかいつもこんな感じで、虚しいが彼の姿はどこにもなかった。
「ふぅー」とため息を吐く。
いくらなんでも悲しい。
せめて一目ぐらい彼の姿を見たかった。
結婚してから一ヶ月弱。
毎朝毎回こんな思いに苛まれていた。