ぼっちでも



あー結局、心配してるのは私の方ではなく彼の方なんだ。

そう思うとまたじわりと目頭が熱くなる。それを隠したくて私は自然と目線を自分の膝の上に落とした。ギューと唇を噛み締め涙が溢れない様に堪え忍んだ。

何処に行ったって私だけを見てくれる人はいない。そんなのはだいぶ昔から分かっていたのに、それを今更目の当たりにするなんて。

なんだか心の中はぐちゃぐちゃだった。もうこれ以上この場所に居たくなかった。


「ごめんお母さん、私帰るよ」


何かぐちゃぐちゃと話していた母親の台詞を遮りそう伝える。ここに居たらますます自分が惨めになるばかりだから。


「ダメよ。まだ話しは終わってないし、それに、本当に春臣君の元に帰るつもりなの?」

「……」



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