ぼっちでも
適当にランチを三人分頼み、それからはなんだか気まずい雰囲気だけがこの場を占拠してる。だけどここから逃げ出す気力なんて持ち合わせてないから、だから黙ったままじーっと膝の上に置いた握りこぶしを見つめていた。
母親も何か言いたげな素振りはするけど、でもそれだけで言葉を発しない。だけど、どうしても聞きたかったのか、母親は落ち着いた小さな声で問い掛けてきた。
「春臣君は知ってるの?この事を」
さぁ、どうだろ?気付いてるかな??多分気付いてないだろうな。
だけどそんな風に素直に言う訳にもいかないから、「さぁ……」なんてあやふやな返事を返した。
「いつ、家に戻って来たの?」
「昨日、夕方……」
ぽつりぽつり話し出すと母親もぽつりぽつり聞き出してくれる。そんな会話は注文したランチがテーブルに届くまで続けられた。
「パパ、遅いわね」