ぼっちでも


車から降り家の中に入ると、そこに父親の姿があった。リビングをすり抜け自分の部屋に直行してしまいたい気分だったがそれはなんとなく無理なんだな。と感じた。


私は仕方なく父親から離れたダイニングのテーブルの方に向かいそこの適当な席に座った。母親はキッチンでいそいそと何かしている。たぶんお茶の準備でもしているのだろう。


「桃、話があるからこっちに来てくれないか」


威厳のある父の声音に私は仕方なく父の方へ向かう。そして目の前に腰を下ろす。


「上手くいってないのか?彼とは」


「………」



突然確信をつく台詞を言ってくるからなんとも返答に困る。だけど、何か言わなきゃ。黙ったままで済まされる訳がない。


「彼は桃が出て来た事は知っているのか?」


さぁ、どうだろ?そんな事私にだって分からない。

だけどこの台詞、父にまんま伝えてしまって大丈夫??駄目なやつじゃあないだろうか??


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