ぼっちでも




そんな幼少期を過ごした私。
家庭環境はその頃とあまりかわりなく。ただ年を重ねるごとに住み込みだった家政婦さんはやがて通いになり、私は一人で過ごす時間は徐々に増えた。

両親は相変わらずで、でも最低限の親の勤めは果たしてくれたから、私もこの歳まで何とかグレずにやってこれた。

それがいい事なのか悪い事なのか分からないが、でも、今ここにいるのは紛れもなく両親のお陰で、なに不自由なく暮らしていけるのもやっぱり両親のお陰で、だから感謝しなくてはならないのかもしれない。

でもだから、私には両親と過ごした幼少期の記憶は余りなく、それだけが気掛かりだった。

だから結婚したら……それなりに夢もあった。

温かい家庭を築きたい。
家族でいつも一緒に過ごしたい。
子供を絶対一人ぼっちちはさせたくない。

だけどどうだろ?実際は多分実家に居た頃と余りかわりない。

私はいつも一人ぼっちだし、今じゃあ話し相手もいない。
仕事は結婚と同時に辞めてしまったし、だからって友達ばかりを頼っていられないし。

結局、一人ぼっちは私の宿命なのかもしれない。

< 7 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop