地獄の果てでキミを愛す
そんな時にある人が私に助言をくれたのだ。




『直哉に彼氏が出来たと言ってみな
そうすれば直哉はお前だけを見るだろう』と。



最初は意味が分からなかった。

でも藁にも縋る想いで私は直哉に言ったんだ。




『私……彼氏が出来たんだ~!』



幸せいっぱいな演技をしながら直哉を見上げた瞬間


直哉の目からは光が一気に消え去った。



焦点が合っていない様な虚ろな目に捕えられ
本当は恐怖で泣き叫んでもいいはずなのに……。


心が満たされていく様な感覚に陥っていた。



この時
私は思ったんだ。


自分は狂っているのだと。
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