地獄の果てでキミを愛す
「なあ」

「ひっ……!?」



低く声を出せば
ピクリと肩を揺らして怯えたように俺を見つめてくる。

何だよその目……。

そんな目で俺を見るなよ……。



「桜……お前は俺のモノだ。
もう……余計な事は考えるな……分かったか?」



壁に寄り掛かる桜の前髪を掴みあげ睨みつける。

心なんか後で奪ってやる。

今は恐怖で俺に縛り付けなければ……。
そうしなければ、桜がどこかに行ってしまいそうだ。


「わか……った……」


涙で上ずったその声すら
俺にとっては愛おしいんだ。
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