地獄の果てでキミを愛す
この想いは決して口には出せない。

出してしまえば……。

直哉が居なくなってしまう様なそんな恐怖が湧き上がってくるから。



「……桜……」

「え……?」

「……愛してる……」



ポツリと呟かれた言葉。

それは私が望んでいたモノだった。

貴方の愛が欲しくて……。

私は“嘘”を吐いてまでココにいる。

まあ、逃げようと思っても逃げられないのが現実だけど。


そう思い、自分の首を見つめる。

真っ赤な首輪。
そこから伸びた鎖は柱につなげられている。


「……逃げ出せないんじゃない……。
逃げ出さないんだけどね……」


どんな形でも直哉の傍にいられる事が嬉しい。


例えそこに愛がなくてもいいと思ってた。


だけど……。
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