地獄の果てでキミを愛す
「俺はお前を愛してる。
頭がイカれちまうほど愛しているんだっ……!」



弱々しい声と共に緩んでいく力。



「っ……はぁ、はぁ……」


届かなかった酸素を存分に取り込む。


殺してくれとは願ったものの。
実際は死にたくは無かったみたいだ。


だって死んでしまったら何も残らない。


私がココに、直哉の傍にいたと言う証は
何1つないのだから……。


それよりも……。


「愛してるって……?」


直哉の言葉の方が気になった。

確かに私の事を愛していると言った。

寝言ではない、彼の意識が保たれたうえでの言葉。

嬉しいくせに信じられない私は苦しさが残るまま直哉を見上げた。
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