地獄の果てでキミを愛す
「ああ」



頷けば満足気に桜も頷く。
そんな桜を見ていたら胸の中が熱くなってくる。


堪らず押し倒そうとしたが『あっ』と声を上げる桜に
俺の理性はギリギリで保たれていた。



「……なんだ」

「お腹空いたからご飯にしよ!って……何か怒ってる?」



恐る恐る俺を見上げる桜。

何も分かっていない鈍感なコイツ。

何事かと思って真剣に話を聞けば……。

何処か能天気な桜に頭を抱えた。

自分が数秒前に襲われそうになっていたなんて露知らず
ジャラジャラと鎖を鳴らしながらベッドがら降りる桜。


扉の前に行きかけて
直ぐに俺の方に戻ってくる。



「ご飯作るからこれ取って!」



鎖を掴み揺らしながら訴える桜。


俺と桜が付き合う様になってから
外には出さないが、かなり自由にさせている方だと思う。


飯の準備を一緒にする様になったから
鎖を外してやるし。


風呂の時は、前は足と手の両方に着けていた手錠は手だけにした。
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