地獄の果てでキミを愛す
桜が逃げるとは微塵も思ってはいないが……。

どうやら俺は桜を監禁する事に喜びを覚えたみたいだ。


支配している感じが堪らなくゾクゾクする。
桜の笑顔も好きだけど、最近は怯えた顔の方が見たいと胸が疼くんだ。



「ったく、ほら」

「ありがとう!!」



そうは思いつつ鎖を外してやれば桜は満面な笑みと共に俺に抱き着いていた。
胸の高鳴りを覚えながらも桜を引き離す。



「飯食うんだろ?」

「……うん!」


少し寂しそうな顔をしながらも直ぐに笑顔に戻る。
俺より先に扉の方へ駆け寄る姿を見た瞬間、胸が痛んだ。



「待て」



すかさず桜に近付き扉を抑える。



「どうしたの?」

「……何処に行く……」

「え?何処って……」

「逃げるつもりだったのか!?」



気が付けば俺は桜を扉に押し付けていた。
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