地獄の果てでキミを愛す
「ち、ちがっ……」



驚いた顔をする桜を睨めば少し怯えた様に肩を揺らした。


……ああ、なんて可愛いのだろうか。
その怯えた目、恐れた目で、俺だけを映してくれ。

好きだ、好きなんだ。



「何が違うんだよ?」

「私はただ……キッチンに……」



震えた声に胸が疼いて仕方がない。


分かってはいたが……。
俺は相当に狂っているみたいだ。


お前が俺から逃げ出さない様に
その手足を縛って動けないようにしてやろうか。



「……私……帰りたいなんて言わない。
ずっと直哉と一緒に居たい……好きなの……」



ぎゅっと俺に抱き着くと桜はそのまま背伸びをして俺の唇に自分の唇を重ねた。
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