地獄の果てでキミを愛す
幼馴染という関係すら
俺達の間から消えてなくなっていく。


頭では“やめろ”と警告している自分がいた。
桜を傷つけたい訳じゃない。


でも……。
抵抗をする桜の顔を見た瞬間
俺の理性は綺麗に吹き飛んで行った。



哀しみに染まった顔が、苦痛に歪んだ顔が



俺の心を掴んだまま離さない。


ドクンと高鳴る鼓動は
開けてはいけない扉を開きつつあった。



俺ではない男の名前を呼びながら
何度も何度も“助けて”を繰り返す桜は
凄く綺麗で……。


口では嫌がっているのに
体は正直で、俺の手や舌に反応して甘い声を響かせていて
頭が狂うほど嬉しかった。


21年愛した女の“初めて”を俺が貰った。
いや、奪ったの方が正しいか……。
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