地獄の果てでキミを愛す
「俺から逃げられると思っているのか?」

「っ……来ない……で……」



ゆっくり立ち上がった直哉は
真っ直ぐと私の方に歩いて来る。

怪しげな笑みのまま。



「来ないで?随分酷い事を言うようになったな。
俺は相当お前を甘やかし過ぎたみたいだ」



ゆっくりと近付いてくる直哉。


激しい眩暈が私を襲うけど
それに耐えて必死に手を伸ばす。


ドアノブに手をかけて体全部で押したけれど
扉は開く事は無かった。



「あっ……」



絶望に満ちた声。
それと同時に完全に体の力が抜けた。
< 67 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop