地獄の果てでキミを愛す
「直哉……家に帰して……」




弱々しい声が俺を現実へと引き戻す。
桜の瞳は真っ直ぐに俺に向いていた。


でもその言葉が気に入らなかった。


帰して?
そんなの……。



「無理だ」



出来る訳がない。


帰すくらいなら最初からこんな事はしない。


お前は一生ここで過ごすんだ。
俺と2人でな……。



「くくっ……」



笑いが止まらない。
桜が怯えた目で俺を見る度に心が満たされていく。
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