地獄の果てでキミを愛す
「漸く気が付いた?」



そう言って亮太は首輪に手をあてる。
そして、いとも簡単に首輪を外した。

慣れている手つきで。


私は私で違和感にさいなまれている。


久しぶりに解放されたというのに
何処か物足りない気持ちになっていた。


やけに軽い首。


でも少し寂しくて
物欲しげな目で首輪を見つめてしまう。



「ははっ、そんな目しなくてもまたつけてあげるよ」



そう言いながら首輪に手を滑らせる亮太。



「あったあった」



嬉しそうに笑いながらある物を首輪から外すと
私に見せびらかす様に軽く左右に振る。

黒くて小型のそれは恐らく……。
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