この青空が溶けて見えなくなる前に。
こんな想いするくらいなら
日曜日の友里亜とのデートがなくなって、休日はずっと家でゴロゴロして過ごしていた。
そしてあっという間に休み明けの月曜日。
朝はいつものように友里亜とならんで歩く。
「家族とどこに出掛けたの?」って、ずっと一緒にいる幼馴染みだったら気軽に聞けることかもしれない。
でもなんでか聞けなかった。
だから学校に着くまでは沈黙の時間が多くなってしまった。
いつものようにクラスメイトに挨拶をして、席に着く。
「友里亜、1時限ってなんだっけー?」
「…確か日本史だった気がする」
「まじかー、朝から日本史は眠くな……」
バッグからノートを出そうと覗き込む。
バッグの中には2冊の数学の教科書が入っていた。
一つは自分ので、もう一つは大ちゃんに返しそびれた教科書。
教科書を見れば思い出す、あの時の私じゃない他の人と話してて嬉しそうな表情を浮かべる大ちゃん。
大ちゃんに会うのが怖くなってる自分がいる。
どんな顔をして会えばいいのか分からなくなってる自分がいる。
私、いつも大ちゃんとどんな話してた?
私、いつもどんな顔して大ちゃんと会ってた?
いつもの自分が分からなくなってきちゃったよ、大ちゃん。