この青空が溶けて見えなくなる前に。



1、2限と授業が終わって、移動教室の帰り。



今日はこの後にHRがある。
その前に寄り道としてトイレへと向かう。



友里亜は行かないと言って教科書やら荷物を持って先に教室に戻っていったから一人でトイレへ入る。



トイレの洗面前ではクラスメイトの女子が化粧直しをしていた。



「あ、希子じゃん。おはよ」


「なに言ってんの、さっき挨拶したよ!」


「そーだっけ?ごめんごめん」



比較的クラスメイトとは仲が良くて、こうやって冗談混じりの短い会話をしては一緒になって笑ってる。



いつものように冗談混じりの会話をして笑い合ってからトイレのに入る。



トイレにいれば自然と洗面の前にいる彼女達の会話が聞こえてくる。



授業の話だったり、彼氏の話などいろんな話が飛び交う。



用を済ませトイレから出ようとした時、クラスメイトの言葉によって戸を開ける手を止めてしまった。



「そういえばさ、昨日、大輝先生が駅前歩いてるの見たよ!」


「まじで!?大輝先生の私服見たかったー」



大ちゃん駅前にいたんだ。
今は大ちゃんに会うのが怖いからか、駅前にいなくてよかったと少しホッとした。



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