この青空が溶けて見えなくなる前に。




「…どうして…こういう、時だけ……っ優しくなるの……!」




ズルいよ。ズルい大魔王だよ。




そう思っても一度溢れだした涙は止まることを知らなくて。




「…二つ…決めてたの……
一つは大ちゃんに…想いをちゃんと…っ伝えること……


もう一つは……泣かずに想いを…伝えること…ふっ、…」




この青空が涙で溶けてしまう前に大ちゃんに想いを伝えよう。




そう決めて大ちゃんに想いを伝えた。




ねぇ、大魔王ヤナ様。




「…私……出来てたよね…っ?
ちゃんと…ふっ、…笑えてた…よね……?」




笑って言えてたと分かっていても、言って欲しかったのかもしれない。
だからこんなことヤナに確認したのかもしれない。




そんな私の気持ちをすぐに分かってくれるのが、不本意だけどこの大魔王様で。




< 30 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop