この青空が溶けて見えなくなる前に。
「…ウザいくらい良い顔して笑ってた。
だから今は何も考えずに泣け」
「……っ…!
うっ……うあぁぁぁぁぁぁっ………!」
頭を引き寄せられてヤナに抱き締められるような形になれば、自分でも驚くほどに涙が溢れてきた。
私はヤナにすがるようにして声が涙が枯れるまで泣き叫んだ。
誰かに恋をして、その人のことを考えるだけで顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
それと同時に恋は私達を苦しめる。
叶うだけが恋じゃない。
叶わないとしても想いを伝えて前へ進んでいく、それだって立派な恋なんだ。
苦しくて悲しくて、涙のせいでこの青空が溶けて見えなくなったとしても、涙はいつか枯れるから。
その時に見た青空が輝いて見えたなら、その恋は決して無駄じゃなかったと思えるはず。
だから歩いていこう。
その涙を、その恋を前へ歩くための力として。
-END-