君と秘密のラブレッスン

「やだよ、崎本くんなんて隣のクラスじゃんっ!いつでも見られるじゃん!!」


さっき早起き宣言をしたことも忘れ、思わずそう言った私。

すると新菜も咲ちゃんも、「何言ってるの!」と身を乗り出してきた。


「1回でも多く見られるに越したことはないでしょ!」

「そうだよ、Aクラスなんて覗くのも恐れ多いし。ていうかつぐみ、別に何もなくても7時には起きようよ」

「う……」


ふたりがそんなにも崎本くんを拝みたい心理は理解できないけれど、咲ちゃんの最後の一言はぐさりと来た。

うん、そうだよね。

7時には起きなさいよって話だよね……。


「ううう。でもふたりとも、どうしてそんなに崎本くんが好きなの?女たらしで有名じゃん」

「むしろつぐみはどうしてあのカッコよさを理解できないかなー。女たらしなんて上等だよ。あそこまでかっこよかったら仕方ないと思えるし」

「そうそう。もうある意味勲章っていうか」

その後も先生が教室に来るまで延々と崎本くんのカッコよさについて語られたけれど、やっぱり私には理解できなかった。

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