もっと、キスして
2章
前へ
外に出ると、ちのが駆け寄ってきて。
「凛…っ!」
そういってほぼ半泣きで抱き着いてきた。
「っ…」
「えっ…、凛…?」
背中を強く踏みつけられ少しけがをしていたのか、
抱き着かれると激痛で声が出なかった。
さすがにちのにも気づかれたのか、
「……ちょっと、ブレザ―とってもいい?」
真剣な顔をしてそういわれた。
「大丈夫、大丈夫だから。
ちのが気づいてくれたんだね?」
ちのの手には、ポッケからなくなっていたケータイが握られていて。
「えっ…」
「ありがとう。」
「はぐらかさないで!見せて!」
半分はぐらかしたのもバレたらしい。
背中は、躾の跡がいっぱい残っている。
「…だめ。
確かに怪我してるけど、ひどい傷じゃないし、
ちのが見たらまた傷つくでしょ?」
「そうだけど…」