もっと、キスして



「えー、おれ絶対幼馴染みかと思ってたわー。」


泰成が大きい声で呟いた瞬間、ドアが2回ノックされた。


泰成がドアを開けると、5人分の飲み物を持ってきてくれた美幸ちゃん。


「龍ちゃんがブラックで、

泰成ちゃんはミルク2個とシロップ2個いりのコーヒー。」


「さんきゅー。」


「よく分かってるねみゆきん。」



「大貴はブラックでよかった?」


「ああ。ありがと。」


「で。女の子はどうしたらいいか分かんなかったから定番のココアで。」


「「ココアすきーっ。ありがとっ。」」


受け取る声までハモってなんかちのと2人で笑っちゃった。


「あら。めちゃくちゃ仲いいのね。」


「って思うじゃん?
この2人出会ったの高校なんだって。」


「あらー。ってことは?出会って3年?」



ん?なんで???



「美幸ちゃん、私たちまだ高1だから。」


わたしがそう突っ込むと、すごく驚いた表情になる。


「まだ1年?大人っぽいから全然見えないわ。

最近の子ってすごいのね。」



「もういいから出てけって。」


大貴がありがとなって笑って美幸ちゃんを追い出す。


「あ、そうだ。大貴、これ。」


「え、何。」


「何って。誕生日プレゼント、だけど。逆に何。」


「大ちゃん、私もあるよっ。」


「ちのも?」


2人でプレゼントを渡す。


何がいいかなって2日間迷いに迷って買ったもの。


「え、超うれし──…」


そう言って照れくさそうな笑顔を見せた大貴がめちゃくちゃ可愛くて。


くしゃってなった笑顔が、いつもより無邪気に見えた。


「なーこれ開けていい?」


「「もちろん。」」


私たちのハモった声に笑いを見せると、丁寧に包みを開けてくれる。


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