恋に恋して
「蓮!」
好きなやつの顔がそこにはあって
好きなやつの声がする
「蓮ってば!きたんだけどなに?」
卒業式の放課後、教室で2人っきりわからないはずがない
でも言葉にしないとこれは伝わらない
「ずっとお前が好きだった」
「うん・・・」
「俺の彼女になってくれ」
「ごめん、無理」
「え?」
「蓮の彼女にはなれないよ」
窓の隙間から風が入り込み美希の長い髪が揺れる
泣いている美希の顔がそこにはあった
「わかった・・・」
そう言って教室を出ようとした時