* キラ✴︎キラ✴︎星《ヒカル》ひと−kirakira hikaru− *
「杏菜を輝かせるのは。乙女心を引き出せるのは。ゆづだな」





ユウくんには、いつもの倍の力で抱かれた。





「俺はアイツには負ける。ツライな」

「そんなことないよ。
私は少しでも、ユウくんを意識してた…」

「それはすぐにテープを切って、ゆづとゴールするんだよ」



耳元で、ユウの声はか弱くて、身体は震えてる。





「だから、ゆづしか見ない杏菜は、俺とは合わない」

「私のこと嫌いなの?」



私はユウくんの心を踏みにじった。



それからもしばらく、ユウくんと涙を流した。

何があったわけでもなく、
涙が止まらない。
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