COOL GIRL

気づけば、私を恐喝していた男は逃げていて、藤野は私に手を差し伸べてくれた。

あの日から、あの時から、私は藤野のことしか頭に入らなくなった。

彼が好きなモデルの髪型にするために、茶髪に染めて、パーマもかけた。

メガネもやめて、カラコンを入れた。

化粧道具を集めて、雑誌を見ながら化粧の練習に明け暮れた。

そんな努力あって、今の私は藤野のグループと一緒にいる。

藤野の隣りに立つことを許されている。

成績は年々、下降気味だけど…

藤野の隣りに居られるのなら、それでいい。

今が楽しければ、それでいいの。



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