COOL GIRL
ここには、私のたくさんの思い出たちが眠っている場所…
大切な人と、大切な時間を過ごした、大切な場所…
早くあなたに会いたい。
いつになったらあなたに会えるのだろうか…
いつになったら、この止まったままの歯車が再び動き出すのだろうか…
翼に会いたい。
あの時のように、この扉を開けて、笑顔を見せて欲しい。
一緒に遊びたい。
一緒に学校に通って、読書して、ゲームして、たくさんお喋りして…
翼の後ろから、あの三人が顔を出して、いつも私を笑わせてくれた。
信治、雅人、拓郎さん…
「愛、何してるの!ケーキバイキング混んじゃうよー!」
友人に名前を呼ばれて、私は足を動かす。
何度も、忘れようとした。
勉強に集中して、過去を振り返らないようにしようと努力した。
だけど…
何度も何度も、あなたたちが私の名前を呼ぶから…
また思い出してしまう。
「愛、どこに行くの!?」
私は走り出す。
友人の声が遠ざかる。
見えない姿を追いかけて
もう一度だけでいいから、会いたくて。
失ったものを探すため
私は、街を走り出した。