幼なじみって難しい






「ねぇ……彩翔」


彩翔「……ん」


「こんな空気だし言うけど……今の今までどうして避けたの」


南波「……」


「私が悪いことをしたのか、分からないし、何より、急すぎる。私にとってのいつも通りがあの時、あの瞬間、刹那的に崩壊したの」



あの時……あの瞬間。

中学三年生の冬

卒業式の後。

"いつも通り"に一緒に帰ってた。

南波も一緒に。

おかしいと思った

南波としか話さない彩翔が。

私はなんとなく卒業式の後すぐ、

おかしいな、って察した。

だって目を合わせないから

あの頃は、子供ながら察した。

なのに今は何も分からない。

なぜ?どうして?

思春期?嫌い?

そればかりで、一時期は不眠症になった。



「彩翔にとっては何も変わりないかもしれない、でも私にとっては大きい変化すぎて、混乱しかないの。彩翔っていつも呼んでたけど、今じゃ呼ぼうか迷う。迷惑かな、とか」


南波「あたしもそれに関しては気になる。南海がすごく悩んでるし。それに、彩翔の変化大きすぎるのも分かるから」



南波は味方でいてくれる。

いつも、いつも……

そんな南波でさえも、

あの頃の私は受け入れられなかった。

怖くて。

裏切られる、見捨てられる。

そう思って、

今までの私がバカすぎて、アホすぎて、過去も未来も嫌いになった。

この先なにがあっても彩翔はきっと私を避けるだろう、って。










なのに、

彩翔は何も無かったかのように話しかけてきた。

それがすごく腹立たしくて、

堪忍袋の緒が切れるような、私の感情の触れてはいけない部分に触れてしまったような。

すごく悩んだ。
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