初めての恋とパン屋さん~短編~
「えっ・・・」
あぁ・・・言ってしまった。
少し震えて涙ぐんだ声になっちゃったけど・・・でもちゃんと言えた。
もちろん佐々木さんは驚いた顔をしている。
でももう今更、引き戻ることなんてできない・・・!!
「えっと・・・・・・気を使ってるとかだったら心配しなくていいよ・・・?わかってたことだしね汗」
「気を使ってるだけなら、こんなこと言いません!
初めてお店であった時、こんな閉店ギリギリで来た私に優しくしてくれて嬉しかった⋯。
いつも来た時、いらっしゃいって笑いかけてくれて⋯オススメとかも離してくれて⋯また来たいなって思えた。
私は、いつしか美味しいパンを買えるのと同時に、佐々木さんに会えることも楽しみにしてたんです⋯
しかもパンの趣味は一緒だし、運命かって思いましたもん!」
私は、ちゃんと気持ちのすべてを話した。
ちゃんと伝わったかなんてわからない。けど、私の心は不思議と晴れたように澄みきっていた