初めての恋とパン屋さん~短編~
「それって、プロポーズですか・・・?」
「いやいやいや!これは違います(笑
プロポーズはまた別でちゃんとしますよ」
そう言って、佐々っ・・・ "光輔" くんは、少しいたずらっぽい笑顔でこちらを見てきた。
ずるい・・・。私ばっかり心動かされてる。
それなら私だって、ずるい女になってやるっ。
私はそっと目をつぶった・・・。
自分ではわかんないけどきっと顔は真っ赤になってるだろう・・・。
「えっ・・・!」
光輔くんはびっくりしてる。
けど、その後は黙ったまま
そっと唇に "キス" をしてくれた。
『・・・!ふふっ』
目を見合わせてお互い、吹き出すように笑った。
何年経っても、ずっと一緒に笑って過ごせる人。
きっとこの恋の形は私が一番望んでいた形だろう。母や若菜と同じような・・・。
私も見つけたよ。私にはこの人しかいない。
そう思える人が・・・!
「光輔くん、大好きだよ!」
私の目には、今でもこの街がキラキラして見える。
それは恋をしてる証拠
~end~