桜道【実話】
トイレから戻ると

あたしの席はなくなって

いた。



【えっっ!!ウソ~】



雛と拓ちゃんが仲良く並

んでいた。



『タバサ~ここ座んな』


《ここって?!!》


力強くあたしの手を

引っ張るナオ。



【ドキッ!え…ウソ…】



あたしは

ナオの膝の上にいた――



『みんな~こっちに流れ

て来ちゃって狭くなった

な!』


いつの間にか綺麗な子を

囲んでいたあの輪がなく

なっていた。


あの輪の中心だった二人

が取り残されてこっちを

睨んでいた。



「タバちゃん達~

写真取るよ~」


南がカメラを構えてこっ

ちに来た。



『タバサ…』


ナオが後ろからあたしを

抱きかかえた。



【ドキン!恥ずかしいょ】



みんなの視線が気になる。



『帰り…送っていく…』


ナオがあたしの耳元でさ

さやいた。



「ハ~イ!1+1は~?」


『にぃ~~~!』


パシャ!!!



南はあたしの顔が真っ赤

になっているのに気付い

ていただろう。




あたしの手は

ナオに

ずっと

握られていた――――




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