桜道【実話】
部屋に入って

真っ先にベルを見た。



【ぁ…キュン】



履歴は全てナオの番号で

埋め尽くされていた。



あたしは

すぐにナオの携帯に

かけた。



プルルッ~


『タバサ?!!』



【ドキン

ぁぁ…ナオの声…】



《あっうん!

ナオ出るの早すぎ~》


『よかった!

ずっと待ってた…』



【ぁ…キュン】



《ナオ…昨日…》


『タバサのお父さんに

挨拶したぞ!』


《えっ?!会ったの?》



あたしは驚いた。



『あぁ~でもちょっと怒

ってた!仕方ないよな~

後で、また行くから!』



【ズキン!!

ナオ…まだ知らないんだ

赤ちゃんのこと…グスン】



《ナオ…お父さんに何か

言われた?》



『…まぁ~タバサと逢わ

ないで欲しいみたいな事

言われたけどな~

心配すんなよ?!

俺は、お父さんに分かっ

てもらえるまで諦めない

からな!』




【逢わないで欲しいって

何それ…イラッ】



お父さんを許せなかった。




もう…この家は


あたしが育ってきた

あたたかな家庭では

無くなっていた――――





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