桜道【実話】
あたしは上着をかぶって

完全に隠れた。



【ドクン…ドクン…ドクン】



足音だけが聞こえる。



【もう行ったかな?】



コンコンコン!!!



【ドッキン!!!】



窓ガラスを叩く音。



【えっ??なに?!】



「タバちゃ~ん!」


《え?わぁ~雛!》



トラックに乗ってたのは

拓ちゃんと雛だった。



「なに隠れてんの?」


《ぅっ…雛ぁ…グスン》


突然涙が出てきた。


「どうしたの?」



赤ちゃんの事。


家出の事。


すべてを話した。



「そっかぁ…赤ちゃん

ダメだったんだ…

今、ナオくんに

会ったけど無理に明るく

してたのかな?」


《あっ

ナオはまだ知らないの

言うのが怖い…

きっと悲しむもん…》



「あっナオくん来た!」


『雛ちゃん達

一緒に飯でもどう?』


「イヤぁね~ふたりの

お邪魔はしないょ~」



雛が気を使ってくれてる

のが良くわかる。



きちんとナオに

言わなければならない。




ナオと

あたしの

赤ちゃんの事――――




< 141 / 158 >

この作品をシェア

pagetop