桜道【実話】

ふたつの家族

(タバサさん…)



【?…うぅん??】



誰かが

あたしの名前を呼ぶ。



(タバサさん…おはよ

ナオから電話だよ!)


《あっ!!はいっ!!》



ベッドの横にナオの

お父さんが立っていた。



【ドキン!ドキン!】



お父さんは電話の子機を

あたしに渡すと部屋から

出て行った。



《もしもし!》


『お~起きたか?』


ナオは笑っていた。



《も~

びっくりするじゃん!》


『あははっ~怒るなよ~

そうそう、お腹空いたら

コンビニで何か買って

食べな!テーブルの上に

置いといたからさ~』



1000円札が2枚あった。



『早めに戻るようにする

から!じゃあな~』



朝、8時だった。



ガチャン!!!



お父さんが仕事に

行ったみたいだ。



【ナオのお父さん

優しかったなぁ…】




あたしは父親を

思い出した――――




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