桜道【実話】
あたし達が近づくにつれ

あの輪は崩れていく。


みんな店の中に入って行

った。


最後まで居てくれたのは

オジサンだけだった。



《なんかさぁ…

感じ悪くない?》


「タバちゃんも気にし過ぎ

だよ~ほらっ行こ!」


南に手を引っ張られ部屋

の中へ入った。



中はすでに薄暗く

ソファーは隅の方しか

空いていなかった。


既にカラオケの曲が流れ

てマイクを奪い合って

歌っていた。



「何飲む?

歌どんどん入れなね!」


南は気を使ってくれるが

歌える勇気は無い。



「タバちゃん?

居づらくない?」


《雛もそう感じた?

少ししたら出ようか?》


あたしも雛も早く

ここから出たくてしょう

がなかった。



そう………


部屋の真ん中で綺麗な

女の子2人を沢山の

男の人が囲んでいたのだ。




この部屋の中であたし達

の存在は無い――――






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