桜道【実話】
第一章

出逢い

「おつかれーっす!」


今度はひとりの男の人が

入ってきた。


「あっ…いっぱいだ…ここ

いいすか?」


ハーフっぽい感じの人

だった。



《あっ!どうぞ…》


一番隅の席に座った。


あたしは急に話しかけら

れてドキドキした。



「あ~拓ちゃん!!

今終わったの?」


南が親しそうに話し

かけた。


「あっ…うん…まあ~」


それ以上会話は続かない。


「いっつも~この人おとな

しいんだよ~~」


南の言葉がちょっぴり

キツく感じた。



【なんか…話した方が

いいかな?】



拓ちゃんがさっきまでの

あたし達の様につまんな

そうに見えた。



《あっ…あの?年聞いて

もいいですか?》


妙にあらたまってしまう。


「俺?24…」


《え~もっと若く見えま

すね?》


「そう?ありがと…」


また…沈黙してしまった。



【あたし…何か失礼な事

言ったかな?】




あたしは

無口な彼の隣から逃げた

くなった――――





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