桜道【実話】
第九章

病院

翌朝

南のお姉ちゃんの車で

病院に向かった。



【ドクン!!ドクン!!】



あたしの心臓は

破裂しちゃいそうだ。



「さっ着いたよ!」



小さな産婦人科だった。


こんな年末に診察に来る

のは、大きなお腹の妊婦

くらいだろう。



【怖い…ょ…ビクビク】



シーンとした待合室。



あたしは

ずっと下を向いていた。



(どうぞ~)



【ビクッ!!】



看護婦さんの声に身体が

震えてきた。



「大丈夫よ!タバちゃん」



あたしは

南のお姉ちゃんに背中を

押された。



【ドキン…ドキン…】



あたしは

恐る恐る診察室に入った。



【本当に…これで

はっきりするんだね…】



あたしは

看護婦さんに促され

診察台に上がった。




生まれて初めての診察台。



【ビクン!!】



足を固定するベルトみた

いなのがあった。



しかも…こんな格好を

させられるなんて。




あたしの恐怖は

さらに増していく―――






< 95 / 158 >

この作品をシェア

pagetop