碧い絶望+紅い慶び=紫煙の快楽
いつもの朝
朝の眩しい日差しが部屋に入って来た。その部屋は白の家具でそろえられている。それらはタンスやベッド等、生活に必要最低限のものだけだ。
そのベッドには1人の少女が寝ていた。枕元では目覚まし時計がせわしく鳴り続けている。が、少女はまったく起きる気配をしていない。
静かな朝に大きな音が響いた。それは廊下からこの部屋に来る足音だった。ソレはこの部屋の前で止まった。

「くぉら!!」

ドアを蹴り破る音とともに男の怒鳴り声が入って来た。その男は長身で長い銀髪、緑の目をしている。そしてその髪を後ろで1つに結んでいる。
男はズカズカと進み、ベッドの枕元に立った。

「いつまで寝てんだよ・・・お前今日仕事だろ!?なぁ~に気持ち良さそうに寝てんだよ!」 

彼は毛布の端を持ち、それを勢いよく床に落とした。ベッドにいた少女は、毛布の無くなったベッドに猫のように丸まって寒さをしのいでいた。

「ふに~・・・。」

少女は茶色の長い髪に水色の目をしている。彼女は薄っすらと目を開けて、男を見た。

「ふに~。じゃねぇ!!起きろ。このバカ娘!!」

今度は少女をベッドから落とし、その上足でゲシゲシと蹴った。その内、少女は耐え切れなくなったのかゆら~っと立ち上がった。

「さっきから言いたい放題・・・私は低血圧なのよ!起きられるわけないでしょ!!」

少女はそう言い男の腹に大きく蹴りを入れた。男はその衝撃に咳き込みながら、米神の青筋を浮かばせていた。

「ふざけんなよ・・・っ!お前、人が折角起こしてやったのに何だその態度は!?っつか寝ようとすんな!起きろー起きろー!」

毛布をとり、再びベッドに潜り込もうとした少女の頭を男が平手で思いっきり殴った。
少女は涙目で頭おさえ、「頭が・・・」と呟いている。

「~っ!何よ、あんたに低血圧の気持ちがわかるわけないのよ!!わかる、このつらさ!!!」
「んなもん知るかぁぁーーーー!!!!!!」


「うるせぇんだよ、てめぇ等!!!」


ドアの所から怒鳴り声がしたのと同時に、2人の動きがぴたっと止まった。

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