幼なじみの理想女子

その言葉だけがこだまする。


「あ~結斗おはよ~」

「…りな先輩、おはよう」

「結斗~2人きりになれる所行こ~?」


結斗の彼女さんが教室に来て目の前まででいちゃつき始める。

立ち尽くす私をよそに結斗と彼女さんは腕を組んで私の前を横切った。


ちらっと見えた、彼女さんの勝ち誇った顔。


あー、さっきの聞かれてたんだってすぐに分かった。

きっと彼女さんには気づかれてる。
私が結斗に想いを寄せている事に。



「那津……」

「…あーあ、失敗しちゃった!でも私まだまだ頑張るよ!」


こんなんで諦めないんだから。


明日はもうちょっと違う髪型にしてみよう。



その日私の頭の中は次どんな髪型にしようか。それだけだった。
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