俺様男に効くクスリ
いつもと同じ、放課後の生徒会室。
まだ慣れないパソコンを叩くあたしに、扉の向こうから千香ちゃんが手招きしてきた。
「…ん?なぁに?」
千香ちゃんとヒロちゃんは、いっちゃんみたいにいつもあたしを助けてくれるから、お兄さんとお姉さんみたいな感じ。
いろんなことも、全部二人が教えてくれる。
「一花さぁ、あんたあの俺様男のこと、どー思ってんの?」
「お、オレサマオトコ?」
千香ちゃんは、いっちゃんのことをよくこの名前で呼ぶ。
でもオレサマオトコって何?
「イッチーにあんなに偉そうにされて、一花は腹立ったりしないわけ?命令されてバカにされて、しかもその自覚もない男に」
「ううん、全然」
「なんで!」
「なんでって…」